プログラム

テーマ:超高齢社会において医療・福祉に求められるもの

第二次世界大戦後、日本は平和的な民主国家の樹立を目指してたゆまぬ努力を続け、世界の奇跡といわれた復興を成し遂げた。この間、戦後7200万人にまで減少した人口は2010年に1億2800万人に増加した。これに伴い、65歳以上の高齢者も2045年には3800万人に達するものと推定されている。

高齢者の増加は医療・福祉を含む社会構造や経済環境に大きな影響を与えようとしている。日本社会は好むと好まざるにかかわらず、これらの情況を受け入れ、これに対処しなければならない。

超高齢社会では現在の常識が覆される。医療・福祉は急性期医療から予防医療、再生医療、高齢者医療、介護や看取り医療などにウェイトが移る。このような情況下では、リハビリテーション、看護、介護、薬物療法、放射線療法などの役割が非常に重要になる。

本大会では超高齢社会において求められる医療や福祉について考える。

■特別講演「これからの医学・医療-超高齢社会への挑戦と応戦-」

国際医療福祉大学総長 矢﨑義雄

司会:蘇原泰則(国際医療福祉大学病院病院長)

■シンポジウムI:超高齢社会における医療の問題点

超高齢社会では、高齢者の循環器疾患、悪性疾患、再生医療などに対する診療が従来のものとは異なるものになるであろう。ただ漫然と生きながらえれば良いとする医療は忌避され、生きるからには、生活の質を保持し、生きがいのある人生を送れるような医療が求められる。このような観点にたてば、現行の医療は矛盾に満ちたものであり、この矛盾にどのように対処するかが問われている。

各シンポジストは担当分野におけるこれらの矛盾点について15分程度講演する。最後に、シンポジストと聴衆とでこの問題について討議する。

    1. 少子化問題について 国際医療福祉大学塩谷病院 病院長 江口光興

    2. 循環器疾患について 国際医療福祉大学三田病院 病院長 小川 聡

    3. 悪性疾患について 国際医療福祉大学病院 病院長 蘇原泰則

    4. 再生医療について 国際医療福祉大学熱海病院 病院長 寺岡 慧

司会:金澤一郎(国際医療福祉大学大学院長)

■シンポジウムⅡ:超高齢社会におけるリハビリテーションの問題点

超高齢社会では、高齢者のリハビリテーションの在り方が従来のそれと異なるものになるであろう。従来の方式を繰り返せば良いというわけにはいかない。高齢者が求めるものを考え、それに沿った治療が展開されるべきである。現場の声を中心に構成する。

各シンポジストには、各担当分野の問題点について10分程度講演する。最後に、シンポジストと聴衆とで、この問題について討議する。

    1. 理学療法士の立場から 上田清史 (国際医療福祉大学病院リハビリテーション室係長)

    2. 作業療法士の立場から 佐々木由佳(にしなすの総合在宅ケアセンター副主任)

    3. 言語聴覚士の立場から 川俣悠平 (にしなすの総合在宅ケアセンター)

    4. 視能訓練士の立場から 飯田麻由佳(国際医療福祉大学病院診療技術部眼科)

司会:高橋陽介(国際医療福祉大学塩谷病院リハビリテーション室主任)

■シンポジウムⅢ:超高齢社会におけるがんチーム医療の在り方

超高齢社会のがん治療におけるチーム医療の在り方について

司会:大東貴志 (本学教授、三田病院泌尿器科部長)

糸井裕子 (看護学科准教授)

シンポジスト:

大津 敦 (国立がんセンター東病院 臨床開発センター長)

森川康英 (本学教授 国福病院小児外科)

安藤 裕 (放射線医学総合研究所 重粒子医科学センター病院長)

角田直枝 (茨城県立中央病院看護局長 がん看護専門看護師)

旭満里子 (薬学部教授)

■特別企画:災害時の高齢者医療について

東日本大震災時の高齢者医療に関する問題点を踏まえて討議する

震災時の医療安全 八木沢幸恵(国際医療福祉大学病院医療安全管理室主任)

大震災を経験して 大内真奈美(国際医療福祉大学介護老人保健施設マロニエ苑看護部副看護部長)

災害時の高齢者医療 篠澤洋太郎(国際医療福祉大学病院救急医療部部長)

司会:大和田倫孝(国際医療福祉大学病院医療安全管理室)

■ポスターセッション・口述発表

一般、学内研究費受給者の研究内容および成果についての報告

■学科別企画

(公開されているものに限ります)

看護学科合同企画:

将来の看護領域の発展と看護教育のありかた

医療福祉・マネジメント学科:

多職種連携の質的向上の可能性について

~医療、福祉、マネジメントが分かる専門職の役割を踏まえて~

薬学部:

薬学部先端漢方医薬学教育研究センター研究報告会

理学療法学科:

中国のリハビリテーションの現状と今後の課題

作業療法学科:

作業療法学生の職業的アイデンティティ

視機能療法学科:

臨床現場で活躍する視能訓練士のための教育講演会

「眼科における自覚的検査を行う上で重要な基礎知識」

■関連職種連携実習報告会

学生による関連職種連携実習の実習報告会